大家が掲載している『503号室の郵便物』の商品画像
失踪した住人の私物を売り捌く奇天烈な大家
とあるマンション大家の奇行が一部で密かな話題となっている。大家は自身が所有するマンションの一室、503号室の入居者の私物を売り捌いており、そのラインナップは衣服、手帳、ゴミ、歯ブラシなど非常に変わったものばかり。金銭的なリターンというよりは嫌がらせ目的で行っているようだ。
販売ページを確認したところ『503号室の郵便物』は記事掲載時点ではまだ買うことができた。ポストに入っていた郵便物をまとめて売っているようで、払込用紙など公的な文書から私的な手紙まで様々な郵便物数点がまとめられている。
『503号室の郵便物』販売ページ
大家が私物を物色する様子を動画に上げているものもあり、何点かは非公開になっているものの、『503号室の郵便物』に関する動画は2025年8月現在閲覧することができる。
他人の郵便物を売り捌くのは違法?
例え失踪者のものであっても他人の私物の無断売却は民事上も刑事上も違法である。一見してゴミと判別できるなら問題ないという見方もあるが、そうであってもトラブルになるケースは多い。503号室の大家がどういう対応をしているかは不明だが、引取り催告などの手続きを踏むのが安全である。
503号室にまつわるオカルトな噂
大家の所業が注目を集めている理由はこれだけではない。このマンション、とりわけ503号室には様々な「いわく」が噂されている。最も有名なのは「血を吐く廊下」である。このいわくについてはオカルト専門誌『超・不思議マガジン』に特集もされている。
「血を吐く廊下」について特集された雑誌ページ。現在は入手困難だがフリマサイトなどにバックナンバーが出品された形跡が確認できる。
フリマサイト・リフリカのスクリーンショット。
503号室の噂は小説にもなっている
なんとこの503号室を元にしたホラー小説も投稿されている。それは屍村奇々氏の『フードファイターの幽霊』と呼ばれる作品だ。この小説はカクヨムというサイトに投稿された3000文字程度のごく短い短編小説で、そのまま「フードファイターの幽霊」と呼ばれる都市伝説が題材になっているようだ。「フードファイターの幽霊」は近畿地方の子供達を中心に近年出回っている都市伝説のようで、実際に滋賀県出身である屍村奇々氏がこの噂に着想を得て執筆したと述べている。
『フードファイターの幽霊』屍村奇々 | カクヨム
「フードファイターの幽霊へのお供物」として出回っている写真。出所は不明。
実際に503号室だと特定されている噂も
近年インターネットを中心に話題になっている「黒男」もこのマンションの503号室ではないかと言われている。「黒男」はここ最近爆発的に広まった「1年365日ずっと窓辺に立ち続ける黒い影」の噂だ。実際に「黒男」を撮影したとされる写真も出回っており、具体的なマンション名までは特定されていないが、このマンションの住民と思しき人物による「うちのマンションの503号室で間違いない」というポストが確認されている。
YouTubeにアップロードされた動画。
ラストのミニコーナー・放課後の噂で
「黒男」についての言及や考察がなされている。
503号室で一体何があったのか
実は503号室が本当に事故物件であることは大家本人が述べている。503号室では何かしらの瑕疵事案が発生し、その後ようやく見つかった入居者も少し経ったあとに失踪してしまったとのことである。瑕疵事案、いくつかのオカルトな噂、これらは何か関係があるのだろうか?巷では失踪した入居者は霊障に怯えて失踪した、あるいは霊障でおかしくなってしまったとも言われている。おかしくなってしまったのは大家の方のように見えるのは私だけだろうか。
取材・文/時透ユウキ
ガジェット、ITネタからネットで話題のゴシップまで様々な記事を執筆。著書『そのタブレット、今すぐ捨てろ!』『俺もミームになりた〜い』『嫁がネットで晒されまして』。